星降る夜に出掛けよう 観劇メモ

星降る夜に出掛けよう 感想メモ

 

髙地優吾くん、やっぱり舞台が似合うので舞台に立ち続けて欲しい。

 

𖤐星の王子さま
恥ずかしながらこの舞台が発表になるまで星の王子さまを読んだことがなく、発表されてからすぐに読んだ。その後、ゆごくんが王子さまを演じると聞いて、きっと似合うだろうと思ったけれど想像以上に王子さまのピュアさ、純真無垢さがハマっていて、目もキラキラしていてピュアの化身そのものだった。どうして酸いも甘いも経験したどっちかというとリアリストなドライな人間ぽいのに「ピュアの化身」になれるの?

「星はきみに笑いかけるよ」「星のかわりにたくさんの笑う鈴をプレゼントするね」(うろ覚え)など、原作から少しアレンジしたようなセリフもゆごくんの少年みたいな声にピッタリだった。

髙地優吾、やっぱり変で魅力的だ。
玉三郎さんも優馬くんもゆごくんのことピュアだと言っていたので身近にいる人がそんなふうに表現するってことは本当にそんな要素を感じさせるものが普段のゆごくんにもあるんだろうな。

ゆごくんが心配してたであろう歌唱も、かなり上手い!とは思わなかったけれどすっごく良くて、ストーリーと歌詞も相まって号泣した……
砂漠で疲れて眠る王子さまに、青年髙木くんが「君を守るよ」的な歌を歌う。(これがまた優しすぎて大号泣)
実は王子は起きていて、その言葉、歌を聞いていて、地球を去ることを決めた王子さまがかけがえのない友達になった青年のために、アンサーソングのように安全地帯の「あなたがどこかで」を歌うんだけどこれを歌うゆごくんの声が優しくて繊細でとても素敵で、涙が止まらなかった。王子さまと青年の無垢な友愛が美しくて、二人とも素敵な演技でした。

と、綺麗に飾ってみたけれど正直言って髙木くんが長髪なのも相まってめちゃくちゃ色気のあるお兄さんなので、髙木くんがピュア王子に布団代わりにマントをかけてあげたり自分の上着を枕にしてあげて寝かせてあげたりしてるところに、キュンキュンしてしまった。
美しいブロマンスっぽい、とも受け取れて、そういう風に受け取れるものを演じる優吾を見ることになるとは思わずなんか変にドキドキしてしまった。すみません。
ペアダンスっぽいこともするので尚更(二人で踊るカナリア良すぎた)

王子の背中パカーン衣装はどうしようかと思ったんだけどそもそも衣装もちょっと宇宙人(?)とか宇宙服っぽさを演出してるのかタイトめでスタイルの良さが際立っていた。

砂漠と空と青年と王子。
静かに穏やかに優しく物語が進んでいく感じがすごく刺さりました。

 𖤐星降る夜に出掛けよう
幽霊を連れている悩む男、鬱々とした感じが王子とは真逆なのでどっちもハマるゆごくんは凄い。
四つん這いになった黒子さんに座るゆごくん。癖ポイント。
煙草の灰を落とす仕草をするゆごくん。癖ポイント2。
こっちは難解で、分からん……と思いながら見てたんだけど優馬くんが演じてた人物は原作は女の子で、あのマネキンとのシーンは上辺だけの中身のない会話をしている女子会、と見かけてようやく理解が進んだ。
「真剣になったからだよ」の意味がいまいち分からなかったんだけど、真剣に人と向き合うことで真の友情が芽生える……ということでしょうか?
もう一度見たい。

ステージから天井に広がる電球の光、宇宙にいるみたいな満天の星に包まれているような空間になるのがあまりにも素敵すぎた。
そこに立っているゆごくんと優馬くんが綺麗だった。突然出てくる髙木くんには笑ってしまった。

𖤐ショータイム
優馬くんはザ・センターが似合う人だな、と感じた。センター、0番に立つべき人って感じ。
赤のジャケットがものすごく似合ってるし、真ん中にいるのがしっくりくる。歌が上手い。あとシンプルに顔がかっこいい。

髙木くんもかっこよかった。
舞台映えする背格好で声でお顔で、歌が上手い。お色気お兄さんすぎる。
髙木くんの歌が終わる辺りで舞台袖から出てきた手を見てニコッと素っぽい笑顔になったのにときめいてたら、手出してたの優吾だし、エスコートするようにその手を取って優吾が出てくるの無理すぎた。優吾が羨ましい。ずるい(?)

ゆごくん。
よく分からん歌詞の歌を歌っていた。
クルト・ワイルの「The Saga of Jenny」という曲らしい。
ネイビーのキラキラジャケット。
ここでもまた四つん這いになったダンサーさんの上に座っている。癖ポイント。
やっぱりめちゃくちゃ歌上達したね!的な感じではないんだけど歌えているし踊れている。
こうして歌とダンスをやる機会をもらえたのめちゃくちゃ良かったなあと思った(なにさま?)
ゆごくん、経験積めて鍛えられる機会があればいいのに、とずっと思ってたから、それが夏夢から今回の舞台で与えられている気がして、玉三郎さんありがとうの気持ち(だれ??)

三人で歌うところは顔を合わせて笑顔で歌っていて、楽しそうで可愛かった。
カーテンコールも、夏の夜の夢の時のように噛み締めるように、達成感溢れる顔で客席を見渡してるのが印象的でした。
最後「ありがとうございました」って声に出ちゃってたのもアイドルゆごくんらしくて可愛かったです。

𖤐舞台のゆごくん
アイドル髙地優吾ももちろん大好きだけど、舞台の髙地優吾もとても好きだ。
なんでかなって考えたけどゆごくん、「声」がいい。
声の演技が上手いと思う。
ミュージックソンとかの朗読でも思ったしいつぞやのマスカラ劇場のときも思ったしドラマのゆごくんの演技も好きだし、ゆごくんの声や演技が好きだ。
安全地帯を歌うゆご王子、優しく語りかける、大丈夫だよと相手に寄り添う感じがあった。

真っ赤な嘘のときに、北斗が「髙地が歌うと、ネガティブな気持ちも分かるけど、でもこんなに素敵なんだよ、って説得力あるものになる」という風なことを言ってたのを思い出した。
ゆごくんの声や持ってる雰囲気、持ち前の性格が王子の青年を導いて寄り添う温かさに合ってたんだなあと思う。

以上です。

 

各出版会社様へ
王子のバックショットください。

夏の夜の夢~ライサンダー忘備録~

 

9/10-11と、9/17-18公演を観劇したので、ちょうど序盤公演と中間公演を見れた感じでした。

9/10昼は2回のカーテンコールで終わり、夜は拍手喝采スタンディングオベーションとなって3回目のカーテンコールがあったのですが、その時の優吾くんの堂々としていながらも、拍手を噛み締めるように嬉しそうに客席を見渡していた顔が忘れられません。「良い顔」というのはあの瞬間の優吾くんの表情のことを言うのだと思う。


という話を前置きにしつつ、ライサンダーのあれこれをメモに残しておきます。

 

・上手からやってくるライサンダー役の青年。車椅子を押し、テーセウス/オーベロン役の長のような人とすれ違う時に軽く一礼している。(ハーミアを観察していたら、ハーミアは向かい合って深く一礼していた。たしか。)
あの物々しい雰囲気を纏える優吾くん及び他の演者様方も凄い。
・劇が始まり、「前へ出ろライサンダー!」で藁の羽織を放るように投げるライサンダー。他の子はするりと床に落とすように脱ぐので、ライサンダーだけが粗雑に見える。
・ハーミアが死刑だと言われた瞬間に前に出てくるライサンダー。悔しそうな表情が良い。
・駆け落ちの話をするライサンダー。結婚できるよ!と跪きハーミアの手を握る時のキラキラとした顔が素敵。それを受けてステージに走っていくハーミアの浮かれっぷりも超可愛い。イチャイチャ抱き合うのも可愛い。
・ヘレナとハーミアが話している時、笹を見ているライサンダー。とある公演では包帯を巻いている手首を気にしていた(このシーンだったかは記憶が曖昧…)ので、もしや「ライサンダー」の心の傷なのだろうか?と思った時もあった。けどたぶん「ライサンダーを演じている彼」の傷だと思うけど。
話が逸れた。
笹鑑定してるライサンダー可愛い。ハーミアが「ライサンダー」と名前を出した瞬間に振り向くの、愛。
ここのシーンのハーミアの、「ところが、どんな魔力があるのかしら、この人の胸の奥に」「この人はその天国を変えてしまったの、地獄に!」のセリフのところが、生駒ハーミアが本当に可憐で可愛くて仕方がない。恋する乙女の顔でライサンダーを見ているんですよ。それを見つめ返すライサンダーの眼差しも優しい。愛。
ハーミアの手を取り階段をおりて駆け出していく二人の仲睦まじさ。二人の視線、仕草から本当に愛し合ってるのが伝わってくるのがすごい。
・「実を言うとね、迷ってしまったんだ、道に」この辺、髙地優吾を感じて萌。(萌って死語!?)
寝床問題の時のライサンダーの顔、これ→(>_<)
公演重ねる毎に「えぇーー?」って素直な声が出始めた。笑
・惚れ薬を塗られてる時のライサンダー、パックがふよふよ浮いてる演出も相まってファンタジーで可愛い。優吾くん、ファンタジーが似合う。
・ヘレナに惚れてしまうライサンダー、9/10公演はオーソドックスな感じ(キスをすんなり強請る)だったけれど、9/11にはもう余裕が出てきたのかはっちゃけ始めてた。笑
キスを強請るところで、自分の唇をキザったらしく拭ったり(チュッ!というリップ音付き)、唇を拭いてから強請ったり等など。
・あの人の騎士になるのだ!と宣言しヘレナを追って階段をかけ登っていくライサンダー、激足早すぎて、これはトキメキと言うよりもはや笑ってしまった。本当に早い。
・ディミートリアスもヘレナに惚れ、そうして始まる大乱闘スマッシュブラザーズ
「ヘレナ、嘘だ、信じちゃいけない!」の声色が少年みたいに無垢に聞こえて本当に好きだった。ここだけ絶妙に声のトーンが違うような。
縋りついてる子供みたいだからかな。
ハーミアがやって来て、下手でヤンキー座りしてイライラしてるライサンダー。どこかの公演で舌打ちが聞こえたような。幻聴か?
ここからハーミアに怒鳴るライサンダーからは心底の「嫌悪」「拒絶」を感じて恐ろしかった。ハーミアを見る目が冷たい!
「なぜ俺の後を追う!!」の「なぁぜ」の声の圧力半端なくて私がハーミアだったらこの時点で号泣する。
そして打って変わって「行かないで、ヘレナ!」は例の子供みたいな声。やっぱり縋り付く時はこの声になるのね。
・ハーミアとヘレナの罵りあい。ハーミアを止めるライサンダー、膝で思いっきり生駒ハーミアちゃんのジャンプを手伝ってる優吾ライサンダー可愛い。この時のハーミアちゃんは威嚇する子猫でめちゃくちゃ可愛い。
・罵倒アドリブ。私が入った回は米粒とかミトコンドリアとか蚊とかに例えていた。全然覚えてない。ツイートにも残してなかった。笑
・ディミートリアスとの決闘をパックに遠ざけられる場面。もう私はここの優吾くんの演技に賞を送りたい。本当に素晴らしかった。
前のnoteでも書いたけど、悔しそうな表情、声、美しいセリフがハキハキと伝わってきて、かつそれに感情が乗ってる。本当に素晴らしいよ優吾くん…。
力尽きて眠るシーンで、うまく座布団の上に横になれずにモゾモゾと位置を調整するゆごサンダーは可愛い。
そして両腕を抱くようにして足を揃えて眠るライサンダーが可愛い。
下手だとおしりと足しかみえなかったけれどそれもまたヨシ!!上手だと可愛い寝顔が見える!これもまたヨシ!!
ちなみにハーミアちゃんは胸の辺りで両手をグーにして眠っているんですけどめちゃくちゃ可愛いです。
・魔法が解けたあとの歌と、みんなのダンス好きーーー!!!
ここライサンダーがセンターなの、この若者四人の喜劇の部分はライサンダーが惚れ薬を塗られてしまったことにより起きるので(ディミートリアスだけが塗られていればなんの問題も起きなかった)、ライサンダーが肝だからだよな、と思いながら見てた。
・ティターニア様とボトムのやりとり。蝶々が時折ライサンダーに止まったりするのが可愛い。(あれ?このシーンだっけ。違ったらごめんなさい)
・目が覚めた四人。
テーセウスに駆け落ちのことを説明し、イジーアスにチクチク言われている時に、ハーミアの肩を抱くライサンダーと、ライサンダーの胸に頭を預けるハーミアの図が好きすぎた。
その後の、ディミートリアスのセリフの時にもギュッと密着してるライハミが可愛い。あれ、胸に頭擦り寄せてたのこのシーンかもしれん。うろ覚えすぎる。
・どのシーンが忘れてしまったけど、ライサンダーがハーミアの髪を撫でた日があって、ぎゃあ〜!!となった。いつもやってた訳じゃなくて私が見た中で1回しかやってなかった気がするので、本当にびっくりした。
・職人チームの劇。
下ネタっぽい所でハーミアの顔を覆うライサンダー、は定番だったけど、中盤公演で始まる前に何か冗談を言い合ったのか分からないけど二人でペシペシ腕を叩きあってたのが可愛かった。ナチュラルにイチャついている。
9/18の昼公演かな?が本当にお客さんのノリが良くて、それまでは劇中劇に対して拍手はなかったけどこの公演は自然と拍手が発生して、9/19からテーセウス様やライサンダー、ハーミアが客席に向かって語りかけたり頷いたりするようになった。そしてハーミアちゃんの素の笑い声もよく響くようになった。笑
テーセウス様がこちらに向かって話しかけてくれるのめちゃくちゃ好き。となると同時に、観客もアテネの貴族になった気分になれるし、この舞台の構成から言うなら、村の奉納劇を見に来た観光客とも言える。
そして物語自体は、劇をするアテネの職人たち、それを見ている貴族、そしてその人間たち見ている妖精、という構造なので、わたしたちが拍手で参加することにより貴族と一緒に見ている、ということになるのなら、わたしたちも妖精たちに見られているということになる。
この不思議な構図が、面白くもあり、少しゾッとしたりもして。
・パックの口上。ここで客電がふわっと明るくなっていくのが、夢が覚め、劇が終わることを伝えていてグッとくる。
倒れ込んでしまったパック役の子を抱きしめるライサンダー役の彼。序盤公演では頭を撫でていた(確か!!)、中盤公演では背中を何度も何度もポンポンしてやっていた。
この時のライサンダーの背中が、慈愛ややるせなさを感じさせて、胸が苦しくなった。このシーンも本当に好き。
ボトム役の人がパック役の子を抱えるのを見ているライサンダー
そして2人より少し先を歩き、鳥居の向こうに消えていく。揺れるオレンジ色のライト。不気味な音楽。英語、泣き声。
愉快な喜劇で終わらない、このラストが不思議な余韻を残して、今まで見ていたのは夢だったのかもしれない、と感じさせるところが本当に最高だった。
・カーテンコール。
9/10の話は冒頭で語ったのでそれ以外の話。
中村芝翫さんに促されてから手をふりはじめる優吾くんが好きなんですが、生駒ちゃんの手を掴んで「ほら、振ってあげなよ!」みたいな感じで促してたのは軽率に死んだ。あまりにも可愛かった。
その後から生駒ちゃんも遠慮なく振っててそれもまた可愛い。
序盤公演から3回目カテコスキップで出てくるの定番でしたが、中盤から優吾くんがティターニア様のベールを持ってフリフリして出てきたり、ベール被って出てきたり(花嫁か?)、ハーミアちゃんとイジーアスが手を繋いで出てきたりとわちゃわちゃしてて可愛い。下手はあんまり見れてないけど(ごめん)亡霊さんが妖精抱えたりパックを抱えたりしてるのが可愛かった。
はけていく時も、南さんと顔を合わせて「行きますよ〜!」的な感じでスキップして帰っていくのが可愛い。可愛いしか言ってないけど可愛い。語彙力がない。
カーテンコール、優吾くんが可愛いのもあるけれど、私は中村芝翫さんのあたたかな眼差しと微笑みに毎回泣きそうになって、素晴らしい人が座長として真ん中に立っていらっしゃるんだな、優吾くん、こんな素敵なカンパニーの一員なんだね、と何目線か分からない感情に襲われ、中村芝翫さんを拝みたくなる気持ちで毎公演終了してた。

 

ねえ4000文字も書いてる。

夏組パックが大好き、って話も書こうとしたけどまた今度にします。

千秋楽まであと2日。
最後まで何事もなく駆け抜けられますように!

 

 

夏の夜の夢 観劇メモ~するのは君への礼賛だ!~

 

中日が過ぎるとともに私の千秋楽がやってきました。

 

自担の初の外部舞台。そして、私は新規なので、板の上に立つ優吾を見るのは初めてでした。

プレッシャー感じてないかな?緊張してないかな?台詞難しいって言ってるけど大丈夫かな?……と大変失礼ながら心配ばかりしていました。でも雑誌のインタビューで、ANNで、緊張を感じながらも前向きに舞台と向き合っている姿に触れて、安心すると同時にカッコいいな優吾、そういう姿勢をファンに見せてくれるのがとても好きだ!なんて思っていました。

そうして、My初日の10日(土)に見た優吾くん。。

想像の遥か遥か上、ものすごいところを飛んでいました。

えっ、まじか。優吾、こんっっっなにすごいんだ。と度胆を抜かれました。

大我さんも言っていたけれど、まず発声。ハリがあってよく通る。いい声。そしてハキハキした言葉。聞き取りやすくて一言一言がしっかり伝わってくる。本当にびっくりした。そんな声が出せるんだ!?と思ったし、優吾めっちゃ声がいい!!と思った。私は優吾の、歌っている時の時折不思議と少年っぽくも聞こえる声が大好きなんですが、ライサンダ―もヘレナに必死に縋りつくシーンで時々そんな声が出ていてめっちゃ好きでした。

演技は全然心配していなかったんですけど(なぜなら私は優吾のドラマでの演技が大好きなので)、これもまた表現力が素晴らしくって震えました。特に、パックがディミートリアスのフリをしてライサンダーとディミートリアスを遠ざけるシーン。感情剥き出しのライサンダ―の「ちくしょう!」と続く「来てくれ、優しい朝よ、待ちに待ったその薄明かりを見せてくれ。そしたら~~~」の台詞の悔しそうな声色、表情、言葉の美しさも相俟って超・好きなシーンでした。ここの演技が回を追うごとに迫真の演技になっていて、どんどん成長していて毎回ゾクゾクしました。

あと、本人も言っていた媚薬を塗られたあとの豹変っぷり。

この豹変っぷりを演じられる人、という点でキャスティングされたのでは?と思うくらいにハマっていた。前半のハーミアへの真摯な愛、そばで寝かせておくれ、と縋るぞっこんな感じが可愛いのも相俟って、ヘレナを口説きまくるのも、ハーミアに暴言、罵声を浴びせるのも、どう見たって面白い。あのハーミアとのラブラブでキュートなやり取りや表情と、「なぜ俺のあとを追う!」の本気で嫌悪しているような怒鳴り声、豹変っぷりは優吾の憑依能力(憑依能力?)が最大に活かされていたように思う。

これがめちゃくちゃ活きてたのは堺小春ちゃんの凄まじさがあるからなのですが、いったんここでは置いておきます。

そんなこんなで、とにかく、舞台の髙地優吾くんは素晴らしかった。

絶対絶対コンスタントに舞台に立ってくれなきゃ嫌だ!!!ってくらいに素晴らしかった。

そして、優吾も素晴らしかったけれど、何よりこの舞台の音楽、照明、演出、出演者の皆さん全てが素晴らしかった。

特に演出は原作の台詞にもある「想像力」を掻き立てられるもので、あれこれ考えているととてもワクワクしてくる。

荒唐無稽な夢や想像力の働きをたわいもないものと切り捨てず、そこに意味を見出そうとするのは、夢のような人生そのものに意味を見出そうとするシェイクスピアの哲学である。─新訳 夏の夜の夢 河合祥一朗/訳 解説より

あれこれ考えられるこの舞台に出会ったことで、なんだか人生が少し豊かになった気がする。想像力を掻き立てる時間が楽しくて幸せに思える。

そんな舞台に出会わせてくれた優吾くんありがとう。

そして優吾くんをキャスティングしてくれた人、まじでまじでありがとうございます。いつか理由を教えてください(一生知ること無さそう)

オタク的ライサンダ―好きポイントをまとめようと思ったけどたくさんありすぎてまとまらなくなってきたのでいったん下書きしておいた演出についての考察、妄想、感想を置いておきます。

───

・セットは鳥居と揺れるランプが日本の夏って感じで少し不気味。「夏の夜の夢」なのに桜が咲いている。この季節のあいまいな感じは原作の解説にあった通りなのかな。→訳者あとがきより「ミッドサマー・ナイトは夏至祭六月二十四日の前夜二十三日のこと。でも台詞では五月祭とあるので五月祭の前夜四月三十日のこと」四月三十日ってもう桜散ってるよね、と思ったけど演出・舞台セットのモデルになっている福島県檜枝岐村はもしかして四月末でも桜咲いてるのか…?(ちなみに、原作読んでない方いたらぜひ劇場で売っている河合祥一朗先生訳の原作買ってみてください。今回の舞台の帯付きで記念になるし、なにより舞台の台詞はこの原作そのままだよ!)

・山から降りてくる演者がミノと笠を被っている=神の依代であることを演じる、憑依するという意識の象徴。山から降りてきた「夏の夜の夢一座」の俳優たちが劇中劇として「夏の夜の夢」を演じる(プログラム 制作ノートより)
車椅子の子供、その子の車椅子を押す優吾、その子を抱える宇梶さん。もしかしたら、家族でこの一座にいるのかもしれない。
聞こえる現代の音が、ここが現実世界であることを示してるように思う。
冒頭の登場シーンは携帯の音や街中の雑踏という感じ。ラストで聞こえてくるのは英語、赤ちゃんの泣き声、戦争や、今の先が見えないコロナ禍を彷彿とさせるような、不穏にも聞こえる音。そんな時代を憂いた彼らの神への「奉納」「祈り」だったのかもしれない。なんて最近は考えている。

・車椅子の男の子が妖精たちの手を借りて立てるようになる(憑依する)シーン、鳥居から真っ直ぐ光が降りてきていて、鳥居の真ん中は神様の通り道なので神の加護を貰っているかのよう。自由に走り回れる彼の夢。想像の中だったら可能性も無限。

・だからこそ、ラスト、男の子が立てなくなってしまうシーンで私は毎度泣いてしまっていた。夏組パックのあの必死に叫ぶような「おやすみなさい」が堪らなくて涙腺ボロボロ。そしてそんな男の子を抱きしめるライサンダーを演じた彼。とんとんと何度も男の子の背中を叩く彼。抱き締める背中もなんだかやるせなさや切なさを感じて、彼が背負っている傷とはいったい…?

一公演だけ、パック役の男の子が天に向かって手を伸ばしていた回があった。助けをもとめているのか、楽しかった夢を名残惜しんでいるのか…。

・ラストのパックの台詞のところ、客席が明るくなっていくのが、「夢から覚めた」と思わされて、照明の使い方が素晴らしすぎる。

・制作ノートを読む限り、彼らは生きた人間だと思うけれど、日本の夏を感じるあの鳥居、揺れるライトを見ているとお盆を彷彿とさせるし、舞台に出てくる妖精は日本で例えるなら妖怪かもしれない。演者たちの精気を感じない妖しい佇まい。今見ていたのは幻だったんじゃないか、と思うような余韻。もしかしたら人ならざるものが、わたしたちに夢、幻を見ていたのかもしれない、なんて想像してしまう。

 

ゆごほくと真っ赤な嘘の話

 

私はゆごほくが好きです。

運命めいたバチバチのシンメが好きです。
ジャニーズの「シンメ」って面白い文化だよなと思います。
たまたま隣で踊ることになった相手が、今後のジャニーズ人生をほぼ決めてしまう、こともある相手なので。

 

Tokyo Driveを見たとき、辛辣とも思える言葉を口にした北斗に衝撃を受けて、隣で黙ってその言葉を聞いている優吾くんの表情を見て、「な、なんだこの二人は…」となってしまったのがきっかけでした。

その後、一万字インタビューを読んでひれ伏しました。

髙地優吾にとって松村北斗は、初めて出会った「キラキラのアイドル」だったんだな。 

そんな北斗は眩しすぎて、辞めたかった優吾くんにはその存在は重荷でしんどかったかもしれない、そしてアイドルになりたくて仕方がなかった北斗にとって、見るからにやる気がなかった優吾くんの存在は同じように重荷でしんどかったかもしれない。でも二人は今同じグループにいる。

そんなゆごほく。

ここから本題ですが、二人の「真っ赤な嘘」は、ゆごほくそのものな曲だと思います。

 

優吾くんはパブリックイメージはポジティブだけど、ブログ読んでると時折ネガティブさが顔を出したりするし、頑固だけどどこか自信がなくて、ソロキャンプとか自然のなかで静かに過ごすことに癒しを求めてたりするので、ポジティブを演じれるネガティブ、という感じがしてます。

反対に北斗は、パブリックイメージはネガティブで、自分に自信がないところもあって自分に関する物事を卑屈に受けとるところもあるけれど、自分でもよく言ってるけど根は陽で仲が良い人の前ではお喋りで甘えん坊のザ・末っ子気質という感じ。自分に自信はなさそうだけど愛して欲しい!という欲求も強い。

ポジとネガ逆なのでは?という声もいくつか見かけました。

 

でも、これは二人の歌なので、北斗から見た優吾くんは、「ポジティブ」なんだろうと思います。

Wink upで北斗は優吾くんのことを「受け皿みたいな人」だと言ってました。優吾くんは誰に対してもそうで、器のでっかい、みんなを受け止められる人だと感じます。

北斗が取り零していくものも、優吾くんは受け止めてくれる。それってどういうことなんだろう、と思っていたけれど、真っ赤な嘘のIN BOXを見て答えの欠片をもらった気がしました。

 

髙地の否定の言葉から入るんですよ。この歌い方めっちゃ難しいだろうなって思っていたけど、髙地が歌うと「そうだよね、そう言ってしまうネガティブな気持ちも分かるよ。でもね、こんなにも素敵なんだよ」っていうことがあのフレーズに含まれていて。説得力あるものに導く風を生みながら、余白を残しているように僕は感じて、ステキだなと思いました。

 

きっと、北斗は優吾くんがくれる言葉に対して、そう思うことが今までもあったんだろうなと勝手ながら思ったりして。

北斗がライナーノーツで言っていた「二人の根本にある個性を引きずり出して一曲に詰め込んでいる」という言葉。二人の個性の対比、ポジティブとネガティブの対比にしよう、と素案を出したのは北斗の方だということなので、北斗にとって、優吾くんは「ポジティブ」に置きたい人なんだろうなと思いました。

もしくは、「日々笑顔」を座右の銘にして笑顔とポジティブさを届けるアイドルとして頑張っている優吾くんへのリスペクトもしくはエールや肯定なのかもしれない、と妄想を巡らせたりして。

アイドル髙地優吾の肯定、だと勝手に私は思って、そう思うと真っ赤な嘘がほんとうに宝物みたいな曲に思えて仕方がなくなりました。

以上はゆご担の都合の良い解釈ですが、でもこの曲は二人の個性の対比からつくられた曲なので、真っ赤な嘘そのものが「ゆごほく」を表現しているんだなと思います。

対して優吾くんは、基本北斗にお任せだったみたいだけど、「任せた方がのびのびできるだろうし、センスも信頼してる」とか「自分はつくりだすのは苦手だけど、与えられたものに対して努力するのは得意」と言っていて、北斗への信頼とやりたいこと、表現したいことがあってクリエイティブな北斗と、なんでも受け止めて与えられたものに染まることができる優吾くんの相性の良さみたいなものも感じました。

 

正確に言えば、もうシンメじゃないのかもしれない。でも、隣で踊るだけではない存在、運命を決める相手、は、きっとゆごほくはお互いがそうなんだろうなと思います。